京都市の女子大学生が劇薬のタリウム摂取により殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された知人の不動産賃貸業、宮本一希容疑者(37)=京都市左京区=のスマートフォンに事件当日、過去のタリウム関連の事件記事を検索した履歴があったことが23日、捜査関係者への取材で分かった。大阪府警は宮本容疑者が女子大生がタリウムを摂取したと認識していた可能性を示す証拠とみて、タリウムの入手経路などを捜査している。
捜査関係者によると、事件後に宮本容疑者のスマホを押収して解析したところ、立命館大3年の浜野日菜子さん(21)が大阪府内の病院に搬送された昨年10月12日、タリウムが関連する事件記事のほか、タリウムの中毒症状について複数回検索した履歴があった。
浜野さんは同11日夜に宮本容疑者と外食後、自宅マンションで2人で飲酒。12日未明に体調不良に陥った。宮本容疑者は同日早朝、浜野さんの母親に連絡し、迎えに来た両親に浜野さんを引き渡した。
その後、浜野さんは心肺停止状態で病院に搬送され、3日後に死亡。死因はタリウム中毒による重度の呼吸不全で、吐瀉物(としゃぶつ)と尿から致死量に達するタリウムが検出された。
府警は宮本容疑者が浜野さん宅で2人きりで飲酒している際に、酒にタリウムを混入し摂取させた可能性があるとみている。宮本容疑者は逮捕後の取り調べに黙秘している。大阪地検は勾留期限の24日、刑事処分を判断する。