京都三大祭りの一つ「時代祭」の行列費用を自治会費から支出することは信教の自由に反するとして、支出しないよう自治会側に求めた訴訟は22日までに、京都地裁(菊地浩明裁判長)で和解した。自治会は今後、時代祭を含む宗教行事へ費用を支出しない。双方が明らかにした。
昨年8月に会社役員、伊藤要さん(70)が、加入する植柳自治連合会(京都市下京区)を相手取り提訴。17日付の和解調書によると、同会内の祭りの実行委員会を別組織として切り離し、会計も分ける。
自治会側の代理人弁護士は22日、取材に「総会で検討した結果だ。費用は有志の寄付で対応する」と説明した。伊藤さんは会見し「祭りの維持についてもう一度考えるべき時だ。今後も見守りたい」と話した。
時代祭は平安神宮(京都市)の大祭で、例年10月に開かれる。植柳自治連合会が行列の担当だった昨年分は会費を支出しないことで先に双方が合意していた。