甲子園で女子部員が初ノック 城東の永野さん、今大会から可能に

試合前練習でノッカーを務める城東の女子マネジャー、永野悠菜さん=3月22日、甲子園(安元雄太撮影)
試合前練習でノッカーを務める城東の女子マネジャー、永野悠菜さん=3月22日、甲子園(安元雄太撮影)

第95回選抜高校野球大会は22日、甲子園球場で2回戦が行われた。第3試合に登場した城東(徳島)は試合前の守備練習で、女子マネジャーの永野悠菜(ゆうな)さんがノッカーを務めた。女子によるノックは今大会から認められ、永野さんが第1号。女子部員によるノック時のボール渡しなど練習補助、試合中に球審にボールを渡す「ボールパーソン」は昨夏の甲子園大会から認められている。

ユニホーム姿でノックバットを持ってグラウンドを踏みしめた永野さんは、7分間の守備練習の最初の約2分間、内野手へノックを行った。懸命にバットを振る姿にスタンドからは「頑張れ」の声がかかった。ノックを終えた後はノッカーにボールを渡す役割についた。

21世紀枠で初出場した城東は部員12人。永野さんは新治良佑監督が不在の日、ノックを打っていた選手が「今日、一球もノックを受けられなかった」と話すのを聞いて、ノッカーになることを決意。それまでバットを握ったことはなかったが昨春、監督に教わり始めた。初めは球に当たらなかったが、今では狙った方向に打てるまでに。その努力に、昨年のクリスマスには部員や保護者がバットなどを贈った。ノックバットを振る永野さんはチームに欠かせない存在となっている。

第1試合の試合前には、光(山口)の女子部員でマネジャーを務める西原さくらさんが試合前の守備練習で補助員を務めた。

試合前練習で補助員を務める光の西原さくらさん(中央)=3月22日、甲子園(鴨志田拓海撮影)
試合前練習で補助員を務める光の西原さくらさん(中央)=3月22日、甲子園(鴨志田拓海撮影)

女子部員の練習参加をめぐっては、2016年夏の全国選手権大会に先立つ甲子園練習で、ノックの補助をしていた大分の女子マネジャーが関係者から制止され、議論を呼んだ。

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