NTT東西、高齢者の特殊詐欺被害防止対策に「ナンバー・ディスプレイ」無償化へ

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NTT東日本とNTT西日本は22日、高齢者に被害が多発している特殊詐欺犯罪の防止対策を発表した。固定電話にかけてきた相手番号を表示する「ナンバー・ディスプレイ」や非通知着信に対して番号通知で掛けなおすよう促す「ナンバー・リクエスト」について、70歳以上の高齢者がいる契約回線では月額利用料や工事費を無償化、5月1日から受付を開始する。特殊詐欺を行う犯罪者らは固定電話の着信に出た高齢者をターゲットに詐欺を働く事案が増え、今回の取り組みで、犯罪被害の未然防止につなげたい考え。

現在、ナンバー・ディスプレイは月額利用料440円、同サービスにナンバー・リクエストを追加すると計660円かかり、サービス開始時には工事費2千~3千円が必要だ。高齢者がいる家庭の固定電話で利用料や工事費を無償にすることで、不審な電話に応対しないなどの対策をしやすくする。

また、固定電話の通話内容を録音してAIで解析し、特殊詐欺の疑いがある場合は注意喚起を行う「特殊詐欺対策サービス」の利用促進を目指し、5月1日から新規申し込み(上限5千人)で工事費(4400円~)を無償化、月額利用料(440円)は既存契約者も含めて6年度末まで無償化する。

さらに、特殊詐欺の被害に遭うなどの理由で固定電話の番号変更を希望する場合は、4月1日から手数料(2750円)を無償化する。

NTT東の北村亮太副社長は22日の会見で「犯罪に固定電話が使われているのは極めて残念なことで、今、われわれにできることを検討してきたが前倒しで実施する」と話した。

政府が17日、犯罪対策閣僚会議で特殊詐欺事案などへの緊急対策プランを取りまとめたのを受け、総務省はNTT東西にナンバー・ディスプレイ普及や電話番号の変更支援を要請していた。

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