【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が首脳会談後の21日に署名した戦略的互恵関係の深化に関する共同声明は、日本が東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を計画していることに「深刻な懸念」を表明した。中露両首脳はウクライナ危機への対応に加え、インド太平洋地域の安全保障や「対日カード」をめぐっても共闘姿勢を強めていく構えだ。
共同声明では、処理水の海洋放出について「日本は周辺隣国など利害関係国や、関係する国際機関と透明で十分な協議を行わなければならない」とクギを刺した。中露両国が一致して「日本が海洋環境と各国国民の健康面の権利と利益を有効に保護するよう促す」とも明記した。今後、中露両国が連携して日本の海洋放出計画に注文を付けていくとみられる。