WBC日本代表は21日、米フロリダ州マイアミで行われた決勝で前回王者の米国を3―2で下し、2009年の第2回大会以来、14年ぶり3度目の優勝を果たした。7投手をつなぐ総力戦で臨み、最後はダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)の継投で逃げ切った。
打線は0―1の二回に村上宗隆(ヤクルト)の自身大会初の本塁打で追い付き、さらに1死満塁からラーズ・ヌートバー(カージナルス)の内野ゴロで勝ち越した。四回には岡本和真(巨人)の2号ソロでリードを広げた。
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2回無死、村上宗隆が右中間に同点ソロを放つ(日本1-1米国)=マイアミ(共同)
先発登板した今永昇太(DeNA)は2回1失点で降板し、その後は小刻みな継投に入った。八回にダルビッシュが本塁打を浴びたものの、九回は大谷が2死からチームメートのマイク・トラウトを空振り三振に打ち取り、スター選手がそろった米国打線の反撃をしのいだ。
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日本先発の今永昇太=マイアミ(撮影・水島啓輔)
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胴上げされる栗山英樹監督 =マイアミ(撮影・長尾みなみ)
重圧無縁、難敵倒す ダルビッシュが意識変える
2023年の「侍ジャパン」は過度の重圧とは無縁だった。従来とはひと味違う日本代表が決勝に臨み、若手を中心に伸び伸びプレーした。
意識を変えたのは最年長のダルビッシュ有(36)だ。率先して先輩、後輩の壁を取り払って交流し「戦争に行くわけじゃない」と楽しむ意識を植え付けた。
野手会、投手会、全員でと、ことあるごとに食事会を開いた。準決勝前日にも全員で集まり、各自が交流サイト(SNS)で楽しげな様子を公開。グラウンドでも和やかだった。大谷は「みんな変に硬くなることなく自然体でやれている」と明かした。
ダルビッシュにとっては2度目の優勝。試合後は栗山監督に続き、ナインに胴上げされた。「素晴らしい瞬間なのでうれしい。本当に感無量」と喜びに浸った。(共同)