【ニューヨーク=平田雄介】「日本が世界一だ」。米国との頂上決戦を制し日本がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)3度目の王座をつかんだ21日夜(日本時間22日昼)、米東部ニューヨークのスポーツバーは日本人客の歓喜の声に包まれた。米メディアは日本を米国と並ぶ「野球の本場」と位置づけ、7勝無敗で大会を制した日本はWBCの歴史で「トップの座を固めた」と伝えた。
大会を締めくくったのは投打の二刀流で米大リーグを沸かせる投手・大谷翔平とエンゼルスの同僚で米国屈指の強打者マイク・トラウトの顔合わせという「誰もが見たかった対決」(スポーツ専門局ESPN)。
160キロを超える剛速球と変化球を織り交ぜた大谷の投球に、トラウトはフルスイングで応え、目の肥えた米国の野球ファンもうなり声をあげた。最後はトラウトのバットが空を切り、試合終了。デビッド・ウィリアムズさん(33)は悔しさに頭を抱えながらも、「良い試合だった」と日本の健闘をたたえた。
日本はメキシコとの準決勝に続き、米国に先制を許しながらの逆転勝利。メキシコ系米国人アレハンドロ・イバラさん(30)は「決して最後まであきらめない日本の粘り強さは本当に印象的」と語った。近くのテーブルでは、日本企業駐在社員の姫野正樹さん(39)と朋江博思さん(35)が野球談議に花を咲かせ、イバラさんは「日本はファンの野球の知識も本格的だ」と舌を巻いた。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「米国はオールスター級の布陣で臨んだのに、日本に対してほとんど力を発揮できなかった」と試合を振り返り、日本の実力を高く評価した。