令和5年公示地価では、リゾートが近い別荘地や訪日外国人観光客(インバウンド)の口コミで人気となった一部地域は海外からの不動産投資が集中し、新型コロナウイルス禍をものともしない上昇が続いた。
世界中のスキーヤーなどから絶大な人気を誇る「JAPOW(ジャパウ)」。ジャパンとパウダースノーを掛け合わせた日本の雪質の良さを表す造語で、北海道や長野県のスノーリゾートで有名なエリアは、欧米系投資家のターゲットになっている。
北海道富良野市は前年比22・1%上昇と急上昇が継続。先行して長らく人気が続く同倶知安(くっちゃん)町も上昇率は鈍化したものの、プラス3・3%と上昇を維持した。
長野県白馬村(12・7%上昇)はウインタースポーツだけでなく、緑が豊かな夏のシーズンも人気で移住者も多いという。また、同県野沢温泉村は風情がある街並みへの評価が口コミで広まり、地価が伸び悩む温泉地が多い中で上昇。国土交通省の担当者は「人気に火がつきつつある」としている。
スノーリゾート以外では、城崎温泉(兵庫県)や京都の伝統的な町家エリアなどが、アジアから投資が集まっているという。
地価公示 地方住宅地28年ぶり上昇 全国平均プラス1・6% コロナ前に「回復顕著」