ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝に臨んだ「侍ジャパン」を後押ししようと、東京都港区の東京タワー近くのパブリックビューイング(PV)会場には22日朝から平日にもかかわらず多くのファンが詰めかけた。接戦となった日米決戦。大谷翔平が最後にエンゼルスのチームメイト、マイク・トラウトを三振に仕留めると、会場内は大きな歓声に包まれた。
思い思いの選手のユニホームに身を包んだファンが多数見守る中、グラウンドに侍ジャパンが姿を見せると、会場の熱気も一気に高まった。ファンらは、アメリカの強力打線を前に、投手陣がストライクを1つとるごとに拍手し、ワンアウトごとに歓声を上げた。
二回表に先制を許すと会場内は重たい空気に包まれたが、その裏に村上宗隆が同点本塁打を放つと、会場は総立ちに。四回に岡本和真が本塁打で突き放した際には、飛び上がって喜ぶ姿が見られた。
1点リードで迎えた九回、大谷翔平がマウンドに姿を現すと「行けー!」「頑張れ!」などの声援が飛び交い、最後に大谷が三振を奪って勝利すると、全員立ち上がって、ハイタッチしたり抱き合ったりして喜びを爆発させた。
東京都渋谷区の会社員、橘内(きつない)和代さん(33)は「感動をくれてありがとう。誰一人欠けてもならない、とてもいいチームだった」とうれし涙。横浜市磯子区の萩原美海(みみ)さん(21)は「注目される中、大谷選手が決めたのが格好良かった」。一緒に訪れた埼玉県越谷市の北條稜さん(21)も「野球の面白さを体感できた。日本の強さを証明してくれてありがとう」と語った。千葉県柏市の男性会社員(26)は「漫画以上のストーリーのような展開だった。次も連覇してほしい」と、早くも次回大会に期待を込めた。