国土交通省が22日に発表した公示地価(1月1日時点)は、全用途の全国平均が前年比プラス1・6%で2年連続で上昇した。上昇幅は1・0ポイント拡大した。地方圏は、住宅地が札幌、仙台、広島、福岡の主要4市を除いてもプラス0・4%と28年ぶりに上昇。地方の住宅地は長期的に緩やかな回復が続いており、ようやくプラスに転じた。国交省は「新型コロナウイルス流行前への回復が顕著になっている」と分析した。
住宅地は全国平均で1・4%上昇。東京、大阪、名古屋の三大都市圏は1・7%、地方圏は1・2%のプラス。景況感の改善や低金利を受け需要が堅調で、前年比4増の24都道府県でプラスになった。上昇は在宅勤務の普及などで都心部から周辺部にも拡大。上昇地点の割合は56・3%と、前年から12・8ポイント増えた。
商業地は全国平均で1・8%上昇、三大都市圏は2・9%、地方圏は1・0%のプラス。人出が戻りつつある観光地や繁華街での回復が目立った。都市部を中心に飲食店などの店舗需要が伸び、再開発地域でも利便性向上への期待感から上昇が継続している。
上昇率トップは住宅地、商業地ともに北海道北広島市で、それぞれ30・0%、28・4%。新球場整備に伴う開発が上昇を牽引(けんいん)した。
工業地は全国で3・1%上昇。コロナ禍で好調な通販の拡大に伴い、物流用地が引き続き堅調だった。
最高価格は17年連続で東京都中央区の「山野楽器銀座本店」。1平方メートル当たり5380万円だった。