自民党の「『こども・若者』輝く未来実現会議」は22日、少子化対策に関する論点整理の骨子案を示した。児童手当の所得制限撤廃や出産費の保険適用、小中学校の給食費無償化などが柱。来週にも提言をまとめ、政府が月末に策定する少子化対策の「たたき台」に反映させたい考えだ。
焦点の児童手当の拡充策では、一部の高収入世帯を不支給としている所得制限の撤廃のほか、中学校卒業までとなっている支給対象年齢の引き上げを掲げた。政府・与党内では18歳まで引き上げる案が浮上している。子供が多い世帯への手厚い支援も求めた。
また、現在は原則自己負担となっている出産費に公的医療保険を適用することも盛り込んだ。
さらに、岸田文雄首相が17日の記者会見で、育児休業制度の抜本的拡充を打ち出したことも踏まえ、育休給付金について、両親ともに休業前の手取り額と同額の確保を明記。育休制度の対象外となるケースが多い自営業者や非正規労働者らへの経済支援も提案した。
「結婚へのハードルとリスクを下げる」として、新婚世帯や多子世帯への住宅支援なども打ち出した。
教育費の負担軽減策では、高校授業料の実質無償化制度の対象世帯を段階的に拡大し、大学など高等教育費への支援も大幅拡充を求めた。奨学金の支払いが結婚を控えた若者世代で負担となっていることも念頭に、給付型奨学金の拡充も掲げた。
また、さまざまな支援策を利用する際、原則申請を必要とする「申請主義」からの脱却も提案。出産・子育て関連の情報や手続きのデジタル化を進めるため、4月に発足するこども家庭庁に「こどもDX(デジタルトランスフォーメーション)」を進めるための常設部局の設置も求めた。