地方選挙では「構図が決まったら、そこで勝敗も決まる」と先輩記者が教えてくれた。政党や業界団体、労働組合などが手を結んだり、離反したり、といった動きの取材がいかに重要かを指すアドバイスだが、若かった小欄は生意気にも「候補者の掲げる政策を、有権者がどう評価するかの方が大切ではないか」などと思ったものだ
▶告示日までの動きを取材すると、失礼を承知で言わせてもらえば、人間臭くて面白みがある。利権、仁義といった、すごみのある言葉も聞こえてくる。それが政治というものだろう。地域によっては、みこしが威勢を張り合う、祭りにも似た熱気を感じることがある
▶4年に1度の統一地方選が始まる。関西では今回、奈良県知事選が注目される。高市早苗経済安保相の地元、保守分裂の様相、維新が台頭、と複雑な力学が働く。構図が決まったら…とはいきそうにない。となると、やはり政策がものを言う、はずだ。