米「中国が過剰反応する理由ない」 台湾総統の立ち寄り

台湾の蔡英文総統
台湾の蔡英文総統

【ワシントン=大内清】台湾の蔡英文総統が今月29日からの外遊の経由地として米国に立ち寄ると発表したことについて、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は21日、「(米国への立ち寄りは)非公式で私的なものであり、珍しいことでもない」と述べ、特別視はしていないとの立場を強調した。その上でカービー氏は「中国が過剰に反応する理由はない」とも語り、蔡氏の訪米を名目に中国が台湾への軍事的圧力を強めるなどの行動に出ることがないよう牽制(けんせい)した。

蔡氏の外遊を巡っては、米国滞在中に西部カリフォルニア州でマッカーシー下院議長(共和党)と会談するとの計画が報じられており、実現すれば米台接近を嫌う中国が猛反発するのは必至。昨年8月に当時のペロシ下院議長(民主党)が訪台した際には中国が台湾への軍事的威圧を強めた経緯がある。

バイデン政権は、歴代米政権による「一つの中国」政策を変更する考えはないとの立場を堅持。いかなる勢力による台湾海峡周辺での一方的な現状変更にも反対すると表明している。

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