世界的な博物学者、南方熊楠(みなかた・くまぐす、1867~1941年)が半生を過ごした和歌山県田辺市と南方熊楠顕彰会は22日、業績が顕著な研究者を表彰する「第33回南方熊楠賞」に、30の新種植物を発見した東京大大学院教授の塚谷裕一(つかや・ひろかず)氏(58)=植物学=を選んだと発表した。
塚谷氏は、東南アジアなどをフィールドワークし、菌類から栄養をとって生きる「菌従属栄養植物」など30の新種植物を発見。これらを含む44の植物の新分類群を命名したほか、葉の形成の研究でも世界をリードする成果を挙げた。「漱石の白百合、三島の松」などの著書がある。
授賞式は5月6日午後1時半から、田辺市の紀南文化会館で行われる。