バイデン氏、初の拒否権 環境重視転換に反対

バイデン大統領(ゲッティ=共同)
バイデン大統領(ゲッティ=共同)

バイデン米大統領は20日、企業年金の投資先で環境などを重視する労働省規則を覆す野党共和党主導の決議案に拒否権を行使した。大統領就任後、バイデン氏が拒否権を発動するのは初めて。上下両院で3分の2以上の賛成で再可決すれば決議案は成立するが、民主党の大半は反対しており、法案は廃案となる見通し。

決議案は、企業年金を扱う基金が投資する際にESG(環境、社会、企業統治)を考慮することを認めた労働省規則を廃止する内容。バイデン氏は20日、ツイッターに投稿した動画で「議会が可決した決議案は、投資の際に環境への影響を考慮できなくする。拒否権を発動するのは当然だ」と語った。

共和党は、労働省規則は民主党の重視する政策の押し付けだと非難し、保守派が嫌悪する「WOKE(意識高い系)」とのレッテルを貼って、廃止する決議案を提出した。決議案は3月1日までに上下両院を通過していた。(共同)

会員限定記事会員サービス詳細