【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席はプーチン露大統領との会談で、中露関係について「世界の平和と安定の大黒柱にならなければならない」と訴えた。習政権は、対米戦略に加え、西側諸国に対抗する国際秩序の構築で、「プーチンのロシア」を欠かせないパートナーと位置付ける。ただ、ウクライナ情勢への深入りが、盤石な国内体制を整えた習政権のリスクとなる可能性もある。
習氏は初日の会談で、中露関係の強化について「中国自身の根本的な利益と、世界発展の大勢に基づく戦略的な選択だ」と強調した。ロシアとの関係は、中国の国際戦略に欠かせないものだと表明した形だ。
習政権にとって、ともに米国との対立が激化しているプーチン政権との連携は対米戦略の柱だ。また、習政権は「グローバルサウス」と呼ばれる途上国を束ねて西側諸国に対抗可能な一極を作り、米国が主導する民主主義を基調とした国際秩序を揺るがすという青写真を描いているとみられる。そうした戦略を進める上でも、価値観や利害が一致するプーチン政権の存在を重視している。