ウクライナ、日本へ期待高く G7議長国 岸田首相訪問を歓迎か

ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年を迎え、首都キーウで記者会見するゼレンスキー大統領=2月24日(共同)
ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年を迎え、首都キーウで記者会見するゼレンスキー大統領=2月24日(共同)

これまで岸田文雄首相の訪問を繰り返し要請してきたウクライナのゼレンスキー政権が、岸田首相の訪問の実現を歓迎しているのは確実だ。ウクライナは、先進7カ国(G7)議長国を務める日本が指導力を発揮し、国際的な対ロシア制裁の強化や米欧諸国による軍事・経済支援の継続を主導することを期待している。

ウクライナのイエルマーク大統領府長官は1月4日、面会した松田邦紀駐ウクライナ大使に、岸田氏の訪問を望んでいるとするゼレンスキー大統領の意向を伝達。ゼレンスキー氏も同月6日、岸田氏との電話会談で直接要請するなど、訪問を熱望してきた。

ウクライナは、岸田氏がロシアの侵略の実態を目の当たりにし、5月に広島市で予定されるG7首脳会議で、ウクライナ支援拡大に向けた各国への働きかけを強めることを望んでいる。

また、唯一の被爆国である日本がロシアによる「核の威嚇」を容認しない決意を示したり、アジア各国への発言力を持つ日本が、アジア太平洋諸国のロシア接近を食い止めたりすることにも期待している。

ゼレンスキー氏は、ロシアに領土を不法占拠されているという点で日本とウクライナは同じ立場だとし、領土奪還に向けた共同歩調を日本に訴えてきた。昨年12月にオンライン形式で開かれたG7首脳会議でも、「日本と日本人が自由と国際法の規範を守るために、アジアで強いリーダーシップを発揮してきたことに感謝している」と述べるなど、日本の関与を前向きに評価してきた。

ウクライナは兵器輸出に関する「防衛装備移転三原則」を尊重するとし、日本が殺傷兵器を供与できないことに理解を示している。その分、将来の復興段階などで日本が強い役割を果たすことも望んでいるとみられる。

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