選抜高校野球大会第4日の21日、慶応(神奈川)の清原がスタンドの注目を一身に浴びた。PL学園(大阪)で春夏通算13本塁打を放った和博さんの次男、勝児(かつじ)。仙台育英(宮城)戦はタイブレークに突入した十回2死満塁で空振り三振。その裏に1-2でサヨナラ負けを喫し「悔しいというひと言に尽きます。夏に戻ってきて仙台育英を倒したい」とくちびるをかんだ。
二回に先頭で迎えた第1打席。「5番サード清原」がコールされ、父と同じ右打席に入ると大きな拍手に包まれた。1ボールからの2球目、「ファーストストライクを思い切り振っていこうと思っていた」と高めの直球を振りぬいて左前へ。左翼手が後逸する間に二塁を陥れると、歓声はさらに大きくなった。
しかし、その後は快音は響かず、5打数1安打。十回の三振後はバットをたたきつけた。スタンドから見守った和博さんは「ファンの皆さんの声援は息子に届いたと思います。ありがたかった。(安打は)一生の宝になります」と話した。
父のようなヒーローにはなれなかったが、次男は「自分が野球をやる気持ちは父によるものが大きい。改めて偉大さを痛感しました」。同じ舞台を経験し、気持ちを新たにした。(大石豊佳)