【台北=矢板明夫】台湾の総統府は21日、蔡英文総統が今月29日から4月7日にかけて駐米グアテマラとベリーズを歴訪すると発表した。経由地として米国を訪れる。台湾当局の関係者によれば、蔡氏は米国滞在中、マッカーシー下院議長ら米国側の要人と会談する見通しであるほか、民間のシンクタンクが主催するイベントで講演する。
総統府によると蔡氏は29日に台湾を出発。米国のニューヨークに立ち寄り、グアテマラとベリーズを訪れる。それぞれの首脳らとも会談する予定だ。
4月5日にはマッカーシー氏の地元であるカリフォルニアを訪問する。
来年5月に退任する蔡氏は、今回の訪米を政権の外交成果の集大成とし位置づけており、米台関係の緊密さを内外にアピールする狙いだ。一方、米台関係の接近を嫌う中国の猛反発も予想される。
中国は蔡氏が訪米する時期に合わせ、台湾の親中派とされる馬英九・前総統の中国訪問を受け入れた。蔡氏の訪米に対抗する狙いがあるとの見方も浮上している。蔡氏は政権1期目の2019年7月、中米訪問の経由地として訪米した経緯がある。