首相、ウクライナを電撃訪問 ゼレンスキー氏と会談へ

G7首脳テレビ会議に出席した岸田首相。画面はウクライナのゼレンスキー大統領=2月、首相公邸(内閣広報室提供)
G7首脳テレビ会議に出席した岸田首相。画面はウクライナのゼレンスキー大統領=2月、首相公邸(内閣広報室提供)

岸田文雄首相が21日、滞在先のインドから日本に帰国する予定を変更し、ウクライナを電撃的に訪問することが分かった。ゼレンスキー大統領と会談する。首相がウクライナを訪れるのは昨年2月のロシアの侵攻以降で初めて。政府は首相がインド訪問後、22日未明に日本に帰国すると発表していた。先進7カ国(G7)議長国として、ウクライナとの連帯と支援の継続を打ち出す見通しだ。

政府関係者が明らかにした。ミサイル攻撃を受けているウクライナ上空を避け、陸路でキーウに入るとみられる。安全上の理由から訪問日程は報道陣に公表されていなかった。

首相は1月のゼレンスキー氏との電話会談で、ウクライナ訪問の招請を受けた。ただ、安全や日程の確保などで課題があり、調整を続けていた。

閣僚が国会開会中に海外訪問するには国会の事前承認を得る慣例がある。政府は渡航日程が明らかになることで安全確保が難しくなるとの懸念があった。このため、インド訪問に合わせて、ウクライナに電撃訪問する形を取ったとみられる。

首相は5月に広島市で首脳会議(サミット)を主催し、G7の結束を主導する考えだ。ただ、G7首脳で唯一キーウを訪れておらず、自身も訪問に意欲を見せていた。

日本政府はこれまでウクライナに越冬支援として発電機や太陽光照明を提供し、日本の知見を生かした地雷除去支援も実施してきた。ゼレンスキー氏との会談では、日本の取り組みを継続する考えを伝えるとともに、法の支配に基づく国際秩序を堅持するというG7の決意を示す方針だ。

安全確保、国会の承認…ハードルも実行 首相のウクライナ電撃訪問

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