経団連の十倉雅和会長は20日の記者会見で、スイスの金融大手UBSが経営危機に陥った同業のクレディ・スイスの買収を発表したことに関し、日本銀行など日米欧の中央銀行がドル供給を強化する措置を評価した上で「(金融)危機を連鎖させない速やかな対応がされ、日本の実体経済への影響はないと思う」と述べるとともに、「警戒感を緩めてはならないが、とりあえず(連鎖の)危険性は抑えられた」と強調した。
また、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が来日した際、経団連と韓国の経済団体が東京都内で17日に開いた会合で、出席した尹氏との間で、日本のアニメ映画「スラムダンク」や人気ドラマ「孤独のグルメ」などが韓国で人気を呼んでいることが話題になったと明らかにした。
その上で「日韓の間に刺さっている大小のトゲを一つ一つ抜き、実績を積んで関係改善を図っていくべきで、経済界がその先端を切りたい」と意欲をみせた。
一方、LGBTなど性的少数者の理解増進法の国会提出に向けた動きに関し、2月に訪米した際に米政府の高官から進捗(しんちょく)状況を聞かれ「いま国会で議論されようとしていると答えるのが恥ずかしいぐらいだった。(政界には)しっかりした取り組みをお願いしたい」と訴えた。