恐竜図鑑

チャールズ・R・ナイト「白亜紀-モンタナ」(1928年) 

5月14日まで兵庫県立美術館(神戸市中央区)で開催されている特別展「恐竜図鑑」(産経新聞社など主催)の主な作品を5回にわたって紹介します。第3回目はチャールズ・R・ナイト「白亜紀-モンタナ」です。

パレオアートの象徴

チャールズ・R・ナイト《白亜紀―モンタナ》1928年 油彩・カンヴァス 38.1×96.5cm プリンストン大学 © Trustees of Princeton University / Image courtesy of the Princeton University Art Museum
チャールズ・R・ナイト《白亜紀―モンタナ》1928年 油彩・カンヴァス 38.1×96.5cm プリンストン大学 © Trustees of Princeton University / Image courtesy of the Princeton University Art Museum

20世紀初頭、パレオアート(古生物美術)の人気を大きく高める人物が登場した。米国のチャールズ・R・ナイト(1874~1953年)である。

ナイトは野生動物画家だった。彼の残した野生動物の絵は千枚にも及ぶ。その観察眼と解剖学的な研究の成果は、恐竜をはじめ、絶滅した生物をいきいきと描き出すのに格好の武器となった。リアリズムを欠いていた19世紀のパレオアートに、それまで磨いてきた彼の技術が大きな刺激を与えたのである。

ナイトの復元画は米国の主要な自然史博物館に提供され、本や雑誌にも取り上げられたことで、他のパレオアーティストたちのほか、映画「ジュラシック・パーク」など後世の映像文化にまで影響を及ぼし続けた。

なかでも、米プリンストン大学が所蔵する、この暴君竜、ティラノサウルスと角竜、トリケラトプスがにらみあう構図の絵画は、パレオアートを象徴する作品となった。


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