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形状は投手有利、敵は「暑さ」 侍ジャパンの決戦の地「ローンデポ・パーク」

【野球 WBC2023 侍ジャパン(野球日本代表)練習】練習に臨む侍ジャパンナイン=米フロリダ州マイアミのローンデポ・パーク(撮影・水島啓輔)
【野球 WBC2023 侍ジャパン(野球日本代表)練習】練習に臨む侍ジャパンナイン=米フロリダ州マイアミのローンデポ・パーク(撮影・水島啓輔)

野球の「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)で日本代表「侍ジャパン」は20日(日本時間21日)、決勝進出をかけて準決勝のメキシコ戦に臨む。準決勝、決勝の舞台となるのは、米フロリダ州マイアミの「ローンデポ・パーク」。開閉式の屋根を備えた全天候型の球場で、大リーグ・マーリンズの本拠地球場として2012年にオープンした。マイアミは高温多湿な気候でもあるため、選手にとっては暑さ対策も必須といえそうだ。

球場内に「バブルヘッド博物館」も

マーリンズの公式サイトなどによると、本塁から左翼まで約105メートル、本塁から右翼までは約102メートル。さらに本塁から中堅方向は約122メートルと比較的深く、大リーグ評論家の福島良一氏は「大リーグの中でも投手が有利な球場の一つとして知られる」と話す。

大リーグの球場では天然芝の球場が多いが、ローンデポ・パークは高温多湿の気候の影響もあって天然芝の管理が難しい面もあり、2019年に人工芝へと切り替えた。そのため、人工芝の東京ドームと同じ条件のグラウンドで試合を行うことができそうだ。

最大収容人員は3万7446人で、大リーグの中では収容人員の少ない球場の一つとしても知られている。

米メディアの「スポーツ・ビジネス・ジャーナル」(電子版)によると、米住宅ローン会社の「ローンデポ」が21年に球場のネーミングライツ(命名権)を取得し、現在の名称となった。かつては観客席に巨大水槽が設置されていたこともあった(現在は撤去)。

また、球場内には、各球団の選手の首振り人形を集めた「バブルヘッド博物館」を開設。ミュージアムには常時600体以上が展示されており、「かつてマーリンズでプレーしていたイチロー選手のバブルヘッドも置かれている」(福島氏)という。

3月の平均気温は22・9度

16日に行われた準々決勝のイタリア戦終了の数時間後にチャーター機を利用し、マイアミ入りを果たした侍ジャパン。東京との時差は13時間もあるため「時差ぼけ」対策はもちろん必須だが、さらに直面しているのが「気候」の問題だ。

【野球 WBC2023 侍ジャパン(野球日本代表)全体練習】 マウンドを確認する佐々木朗希
=米フロリダ州マイアミのローンデポ・パーク(撮影・長尾みなみ)
【野球 WBC2023 侍ジャパン(野球日本代表)全体練習】 マウンドを確認する佐々木朗希 =米フロリダ州マイアミのローンデポ・パーク(撮影・長尾みなみ)

気象庁によると、マイアミの3月の平均気温は22・9度。19日は最高気温が26・1度に達した。雨期の5~10月には月平均の降水量が250ミリを超えることもある。ローンデポ・パークでは準決勝以降も屋根を閉めた形で行われる予定だが、侍ジャパンにとっては、気候も含めて周辺の環境はこれまでとは大きく異なっている。

「長距離移動に加え、高温多湿の気候は選手にとってハンデとなっているが、乗り越えてほしい」と福島氏。3大会ぶりの頂点には対戦相手の攻略だけでなく、時差ぼけや気候といった問題をクリアすることも求められている。(浅野英介)

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