再審無罪へ「ありがたい」 検事から電話、目に涙

【袴田事件】特別抗告が断念され、記者会見中に涙を流す小川秀世弁護士=20日午後、東京都千代田区(松井英幸撮影)
【袴田事件】特別抗告が断念され、記者会見中に涙を流す小川秀世弁護士=20日午後、東京都千代田区(松井英幸撮影)

長く願い続けた無罪への道がついに開けた。「うれしい」「ありがたい」。袴田巌さん(87)の再審開始を認めた東京高裁決定に対し、東京高検が特別抗告を断念した20日、袴田さんの弁護団や支援者は喜びの声を上げた。

午後4時半ごろ。東京都内で記者会見へまさに臨もうとしていた弁護団の小川秀世弁護士が、携帯電話で担当検事から断念を伝えられた。「そうですか。ありがとうございます」。目にいっぱいの涙をためながら声を絞り出すと、周囲の支援者から大きな拍手が湧き上がった。

会見には姉のひで子さん(90)もオンラインで臨み「うれしい。このまま進んでほしい」と笑顔を見せた。

この日、東京・霞が関の東京高検が入る庁舎前では昼過ぎから支援者ら約30人が特別抗告の断念を求めて抗議活動を行っていた。

袴田事件で東京高検が特別抗告断念 無罪の公算大

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