野球の「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)で、20日(日本時間21日)に行われる準決勝で日本代表と対戦するメキシコ代表は、大リーグの選手を多くそろえる強豪国の一つだ。3大会ぶりの決勝進出に向け、メキシコ代表で警戒すべき選手を探った。
キューバ出身の1番打者・アロザレーナ
メキシコ代表は1次リーグC組で米国代表に11-5で勝利。準々決勝ではプエルトリコに5-4と逆転勝利を収め、今大会は波に乗っている。出場国の中でも屈指のレベルを誇る強力打線を牽引(けんいん)しているのが、28歳のアロザレーナ(レイズ)だ。
WBCでは1番打者として5試合に出場し、17打数8安打、打率・471をマーク。1次リーグの米国戦では3安打を放ち、勝利に貢献した。大リーグ評論家の福島良一氏は「(アロザレーナは)パワーとスピードを兼ね備えた選手。大リーグの中でも走攻守すべてにおいてレベルが高い」と評価する。
キューバ生まれのアロザレーナは、2015年にメキシコへ亡命。16年には大リーグのカージナルスとマイナー契約を結び、19年にはメジャー昇格を果たした。20年に移籍したレイズでは、21年に20本塁打、20盗塁を達成。昨シーズンも20本塁打、32盗塁をマークした。
打線ではアロザレーナのほかにも、2019年にプロ野球のオリックスでプレーした経験のあるメネセス(ナショナルズ)が打率・391とWBCでは好調を維持。昨季レッドソックスで11本塁打をマークしたベルドゥーゴも決して侮れない相手だ。
変化球が持ち味のサンドバル
一方、日本戦で先発マウンドを任されることになったサンドバルは、大谷翔平選手が所属するエンゼルスではチームメート。昨季は先発ローテーションの一角として6勝を挙げた。
福島氏は「スライダー、チェンジアップといった変化球が(サンドバルの)持ち味。日本代表としては早めに先制点を挙げて、試合を優位に進めたいところだろう」と分析する。
メキシコ代表の抑えはガイエゴス(カージナルス)が務めているが、福島氏は「充実した先発陣に比べ、リリーフ陣は若干の不安がある」と指摘する。
過去のWBCでは2006年の第1回大会で対戦。その際には6-1で日本が勝利している。投打ともにレベルの高いメキシコ代表を攻略し、3大会ぶりの決勝進出を目指す。(浅野英介)