習氏、ロシア紙に寄稿 米欧批判回避 プーチン氏と温度差

中国全人代の閉幕式で演説する習近平国家主席=13日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代の閉幕式で演説する習近平国家主席=13日、北京の人民大会堂(共同)

国営ロシア新聞(電子版)は20日、同日から訪露する中国の習近平国家主席から寄稿された論文を掲載した。習氏は21日に予定されるプーチン露大統領との会談で「中露の包括的パートナー関係と戦略的協力の新たな地平を開く用意がある」と指摘。今回の訪露の目的には、中露の友好と協調に加えて「平和」もあるとし、中国がウクライナ危機の解決に向けて関与していく意思を表明した。

プーチン氏も習氏と同様に中国共産党機関紙、人民日報に論文を寄稿した。ただ、論文で米欧批判を展開したプーチン氏に対し、習氏は米欧への直接的な批判を避けており、両者の論調には温度差も目立った。

習氏は論文で自身の国家主席就任後の10年間に「中露関係がダイナミックに発展してきた」と評価。「中露は最大の隣国かつ世界の大国であり、両国外交は重要課題の一つだ。中露は永遠の友好と互恵の理念を堅持している」と述べた。

さらに、かつての中ソ対立を念頭に「過去の両国関係は簡単ではなかった」としつつ、現在の中露が友好という「正しい道」を歩んでいると指摘。中露は欧米中心でない「真の多極化を目指している」とも述べた。

ウクライナ情勢に関し、習氏は「中国は客観的かつ公平な立場で、和平実現に向け積極的に取り組んできた」と主張。中国が先月発表した和平案について「当事国全ての懸念を考慮に入れ、危機の克服に向けた国際社会の見解を最大限に反映している」とした。

プーチン氏「米国に共同対処を」 中露会談前に論文公表

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