拡散前に確認を フェイクニュース対策を女子高校生まとめる

フェイクニュース研究を発表する女子高校生=東京都板橋区の淑徳高校
フェイクニュース研究を発表する女子高校生=東京都板橋区の淑徳高校

「よく考えて、証拠のない情報を信じてはいけません」-。東京都内の高校2年生の女子生徒4人が「フェイクニュース」について産経新聞社で説明を受けた後、3カ月かけ自分たちで探究・議論しながら考えた成果を英語で発表した。

4人は淑徳高校(板橋区)留学コースの阿部真織香(あべまおか)さん、菰田彩菜(こもだあやな)さん、門司花蓮(もんじかれん)さん、河野由実(かわのゆみ)さん。同コースは1年間、米英など5カ国の提携校に留学。帰国後、社会課題を発見・調査・発表する「探究」的な授業を行っている。

4人はまず、フェイクニュースとは、はっきりした情報源や根拠がない噂や噓の情報としたうえで、最近は意図的に誤った情報をdisinformation(ディスインフォメーション)と呼び、意図しない誤報であるmisinformation(ミスインフォメーション)と区別することがあるとした。そして、「フェイクニュースを有名にした人は?」とクイズで笑いを誘った(答えはトランプ前米大統領)。

人々がフェイクニュースを不用意に信じると、社会が混乱すると指摘。例として平成28年4月の熊本地震では、動物園からライオンが逃げたとする虚偽のツイートがあり、動物園や警察署に電話が殺到し、ツイートした人は逮捕されたと述べた(後に不起訴処分)。

対策として、ニュースが事実かどうか調べるファクトチェックを進めたり、個人でも情報リテラシー(活用能力)やニュースリテラシーを高めたりする必要があるとした。

また、新聞社などは正しい情報を得るため努力していることや、事実と意見は区別して報道しているとした。「『ジョージ・ワシントンは初代米大統領だ』と『ジョージ・ワシントンは最も偉大な米大統領だ』はどちらが事実でしょうか」(答えは前者)と例文を挙げ、事実と意見の違いを示した。

最後に「証拠のないものは信じてはいけません」「ファクトチェックをして正しいと確認できた情報だけを拡散しましょう」と訴えた。

発表後、「今まで考えてもいなかったことをたくさん知って〝正しい情報〟を見極める難しさと大切さを改めて感じた」(阿部さん)、「情報が正しいかどうかをきちんと見極め、すぐに拡散しないことが大切だと分かった」(河野さん)、「すぐにフェイクニュースと決めつけるのではなく、きちんと下調べを行う重要さを知った」(門司さん)、「自らが進んで調査する中で、正しい情報を見極める力の重要さを再確認できた」(菰田さん)と話していた。

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