まるでSF映画の一場面のようだ。改札は奥行き約2メートルほどの光り輝くトンネル状で、ICカードで機械をタッチしたり、切符を取り出したりする必要がなく、トンネルを進むだけで改札を通過できる。
18日に開業したJR大阪駅の新たな地下ホームで試験的に運用されている「顔認証改札機」。通過時に撮影する顔写真で、事前登録した交通系ICカード「ICOCA(イコカ)定期券」と顔写真を照合する。一方、照合できなかった人に対しては、床や側面部が赤く光って警告する。
「近未来の駅に入るための、近未来の改札口のイメージ」
顔認証改札機は未来の駅の象徴になる。JR西日本はグループ内でデザインを募集し、複数のアイデアを組み合わせて完成させた。
まだ実証実験の段階で、対象も限られているが、近畿統括本部大阪機械区の竹内諒さんは「移動も買い物も顔ひとつでスムーズにできるサービスを目標にしている」と話す。
スマートフォンのアプリなどを使い、自分に合った交通機関や移動経路を探し、予約や決済もできる次世代交通サービス「MaaS(マース)」への活用や、物品の購入などにも使えるようにしたい考えだ。長谷川一明社長は2025年大阪・関西万博に向けて、他の駅にも設置する意向を表明している。そのうち、トンネル状の改札が、各地で当たり前の景色になるかもしれない。