ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で韓国が早々に敗退したことに世論の怒りはなかなか収まらない。韓国野球委員会(KBO)は「国民の皆さまと野球ファンに心からおわび申し上げます」という異例の謝罪声明さえ発表した。
初戦のオーストラリア戦の負けが誤算で、もし勝っていれば日本とともに決勝トーナメントに進出できたはずだった。勝負は〝水モノ〟だからうまくいかない時もある。と思うのだが、期待が大きかっただけに不満と非難の声が噴出している。日本が舞台で日本に大敗したことも落胆と怒りを大きくしている。
マスコミは「今後の野球人気にも影響」などと警告を発しているが、それにしてもチームが日本から戻ってきた際の空港の風景がひどかった。「罪人のように帰ってきた」との評もあった。普通は負けて帰っても〝国家代表〟にはそれなりにファンが詰めかけ慰労と激励の声をかけるのだが、今回はまったくといっていいほどなかったのだ。
いわば無視と無関心ということになるが、この〝手のひら返し〟のような冷たさは野球への愛情不足ではないかな。韓国プロ野球の歴史は約40年。若い世代や女性を中心にサッカー人気を追い越すまでになっていたのだが、負けても楽しむ心境にはまだなっていなかったようだ。(黒田勝弘)