中国の秦剛外相は3月の全国人民代表大会(全人代)で、国務委員に昇格した。昨年末の外相就任とその後2カ月余りでの昇格は「二階級特進」(香港紙)と評され、背景には習近平国家主席の信頼があるとされる。初の記者会見では厳しく米国を批判し、予想に反して「戦狼外交」が継続されるとの観測を生んだ。外交官一家の出身ながら、異例の出世の早さに実力をいぶかしむ声もある。
異例の出世スピード
秦氏は12日の全人代で、国務委員に選出された。外相と兼任する。国務委員は国務院(政府)で副首相に次ぐ地位で、首相を補佐する。今回は5人が選ばれた。秦氏は担当分野の外交で外務省以外の省庁も指揮することになる。官僚体系の中では「国家級副職(副国級)」に属し、「党と国家の指導者」と称される職位の一つだ。