【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が19日に発射した弾道ミサイルについて、韓国軍合同参謀本部は同日、北朝鮮のミサイル発射場がある北西部、東倉里(トンチャンリ)付近から午前11時5分ごろ(日本時間同)に発射された短距離弾道ミサイル1発だったとの分析を明らかにした。ミサイルは約800キロ飛行したという。
北朝鮮は、東京で日韓首脳会談が開かれた16日に日本海に向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したばかり。13~23日の日程で韓国周辺で大規模な合同軍事演習を実施中の米韓両軍が、ミサイルの種類などの分析を進めている。
北朝鮮メディアの17日の報道によると、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が娘を同行させ、前日の新型ICBM「火星17」の発射訓練を現地で指導した。金氏は米韓演習に言及した上で「その無謀さを認識させ続ける」とし、演習期間中のさらなる軍事的措置を示唆していた。
北朝鮮は12日に潜水艦から巡航ミサイル2発を発射したのに続き、14日にも短距離弾道ミサイルを発射するなど、2~3日間隔で軍事的行動を続けている。
韓国軍は、今回の弾道ミサイル発射について「国際社会の平和と安定を害する重大な挑発行為だ」と非難。米軍との演習実施を徹底し、「北朝鮮のいかなる挑発にも圧倒的に対応できる能力に基づき、確固とした対応態勢を維持していく」と強調した。