中国の仲介によるサウジアラビアとイランの外交関係正常化は、米国が自ら引き起こした失敗であり、重大な外交的敗北だ。
米国は第二次大戦後、ペルシャ湾岸地域で支配的な地位を確立し、対イランでサウジアラビアの利益を代表してきた。サウジは中東における枢要な米同盟国でもある。サウジ自身はアラブ首長国連邦(UAE)やクウェート、オマーンといった近隣の国々を束ねる役割を果たした。
1970年代には米国がサウジに対し、石油の安定供給と引き換えに安全保障を提供する協定が結ばれ、この構図は近年まで大きく変わってこなかった。