5月14日まで兵庫県立美術館(神戸市中央区)で開催されている特別展「恐竜図鑑」(産経新聞社など主催)の主な作品を5回にわたって紹介します。第1回目はズデニェク・ブリアン「イグアノドン・ベルニサルレンシス」です。
人気博したブリアン代表作
「イケてた頃の俺。」のキャッチコピーとともに展覧会のメインビジュアルに選ばれたのが、チェコが生んだパレオアート(古生物美術)の巨匠、ズデニェク・ブリアン(1905~81年)の「イグアノドン・ベルニサルテンシス」だ。
古生物学者のエリック・ビュフォート氏は、ブリアンはスティーブンソンの「宝島」やキップリングの「ジャングル・ブック」のような冒険活劇の挿絵を手掛けたことで知られるが、代表作はやはりパレオアートだと指摘する。
プラハのカレル大学の古生物学教授、ヨゼフ・アウグスタ(1903~68年)が書いた先史時代の人類や化石動物についての本はいくつもの言語に翻訳されたが、そのなかの美しく質の高いブリアンの挿絵もまた世界中で人気を博した。
パレオアートは、学術的に新しい知見が現れるとそれに沿って変わる。ここに描かれた映画「ゴジラ」のモデルのようなイグアノドンも実は、その前後で大きく様変わりしているのだ。
移り変わったイグアノドンの姿 神戸で特別展「恐竜図鑑」、東京にも巡回