国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)は17日、ロシアが侵略するウクライナの子供の拉致に関与した疑いがあるとして、戦争犯罪の容疑でロシアのプーチン大統領に逮捕状を出した。ロイター通信によると、ウクライナのコスチン検事総長は「ウクライナと国際法システム全体にとって歴史的な決定だ」と歓迎した。
ICCは、ロシア大統領府の子供の権利を担当する大統領全権代表、マリヤ・リボワベロワ氏にも同じ容疑で逮捕状を出した。ロシアはICCに非加盟で、身柄引き渡しを拒否するとみられ、実際に公判が開かれる可能性は低い。
ICCは声明で、プーチン氏は「住民(子供)の不法な国外追放という戦争犯罪と、ウクライナの占領地域からロシアへの不法な移送に責任があるとされる」などと指摘した。
ロシア外務省報道官はSNS(交流サイト)で、ICCに非加盟のロシアにとって「決定は何の意味もない」とコメントした。ロシアはこれまで、ウクライナでの戦争犯罪について否定している。
米エール大が2月に公表した報告によると、少なくとも6000人のウクライナの子供らがロシア国内の43施設に収容された。ウクライナ政府は3月初旬、収容者数が1万6000人を超えた可能性があると指摘した。