13日から米韓合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」が始まった。米韓の狙いは北朝鮮の核恫喝(どうかつ)を圧倒的な軍事力で封じ込めることにある。北朝鮮は16日、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の発射で対抗、演習前にもICBM「火星15」を発射し、米国を牽制(けんせい)した。米国が「北朝鮮が核を使えば体制は終わる」と警告すれば、北朝鮮は「米韓の敵対的行動は宣戦布告とみなす」と応じ、非難の応酬はエスカレートの一途だ。この期間、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の恐怖心は最高潮に達するとされ、危険な挑発も懸念されている。
今年のフリーダムシールドは対北強硬路線の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権で初めてとあって米韓関係の好転を反映し、規模も内容も拡充された。野外機動訓練は5年ぶりで、上陸作戦を含む約20項目の訓練が行われる。期間も過去最長の11日間となった。
すでに米韓は2月初旬から約1カ月間、敵首脳部の殺害を狙う米韓特殊作戦訓練「チークナイフ」を実施中だ。2月末には韓国軍の制服組トップ、金承謙(キム・スンギョム)合同参謀本部議長が同訓練を初めて視察した。また、米空軍の対地攻撃専用機「AC130J」が朝鮮半島の訓練に初投入された。同機は地上目標に毎分1千発を超す銃砲弾を撃ち込める「砲弾の雨」で知られるが、この実弾射撃映像も公開し、北朝鮮に見せつけている。