野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で16日に行われた準々決勝でイタリア代表を9-3で破り、5大会連続のベスト4進出を決めた日本代表「侍ジャパン」。投打が機能している安定した戦いぶりや、WBCに向けた入念な準備について、海外メディアから評価の声が高まっている。
韓国の全国紙「中央日報」(日本語電子版)では「先発力投+バントヒット…『二刀流』真髄見せた大谷、日本4強」との見出しで、日本の勝利を報道。記事では、大谷が二回に164キロの球速をマークしたことや、セーフティーバントを成功させて好機を広げたことなどに触れ、「大谷が圧倒的な力を発揮した」とたたえた。
米大リーグ(MLB)の公式サイトは、大谷が先発で五回途中2失点で降板した後、七回から4番手としてダルビッシュ有投手(パドレス)が登板したことに言及。「日本が5点リードしていたにもかかわらず、栗山監督は(相手に)チャンスを与えようとはしなかった」とした上で「試合では相手にわずかでも隙を見せるとあっという間に崩れてしまうものだが、日本にはその隙がなかった」と指摘し、栗山監督の采配を評価した。
また、米国の野球専門誌「ベースボール・アメリカ」(電子版)は16日、日本の4強進出について特集記事を掲載。記事では「WBCで最も多くのタイトルを獲得している侍ジャパンが、3個目のトロフィーを手にする準備が整ったようだ」とし、「大会が始まって5試合を通じ、日本はほぼ完璧な戦いを見せている」と報じた。
さらに、記事では「米国代表は、選手をMLBで所属するチームでトレーニングさせた後、(WBCの)トーナメントが始まる前に練習試合を急遽(きゅうきょ)数試合行ってバランスを取ろうとしているが、日本は大会のほぼ1カ月前からチームとして活動を開始している。そのやり方は一貫してうまくいっている」と指摘。「日本の今大会への取り組み方は、注目に値する」として、日本の入念な準備に強さの秘訣があると分析している。(浅野英介)