国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が、リビアで天然ウラン約2・5トンの行方が分からなくなっていることをIAEA査察官が確認したと関係国に通達する声明を出していたことが分かった。声明は核物質の現在の場所が分からないことは「放射線リスク」となる可能性があると指摘した。関係筋が16日明らかにした。
査察は、未申告核物質がないことなどを保証するのを目的に14日に実施。査察官が、天然ウラン計約2・5トンが入ったドラム缶10本がなくなっているのを確認したという。具体的な場所は不明。
今回の査察は当初、2022年に予定されていたが、地域の治安情勢が原因で延期したという。IAEAは、天然ウランが現在どこにあるのかなどを確認するため、さらに調べる方針。(共同)