パキスタンの経済危機が深刻化している。ロシアのウクライナ侵略に伴う原油などの高騰で、輸入代金の決済に用いられる外貨準備高は1年間で4分の1に急減した。デフォルト(債務不履行)の危機が指摘される中、財政を圧迫する対外債務の処理が喫緊の課題として浮上する。巨額の債務を負担させ、「パキスタンの首を絞めている」(米ブルームバーグ通信)と指摘される中国の責任を問う声が強まっている。
コロナ禍に大洪水…経済に深刻な打撃
「私たちは困難な課題に対して立ち上がり、パキスタンが強い国であることを世界に知らせなければならない」。シャバズ・シャリフ首相は2月の記者会見でこう述べ、国民に連帯を呼びかけた。「困難な課題」とは財政難のことだ。