地球とはなんですか?
地球はなにでできていますか?
海とはなんですか?
太陽が沈む時、目の前にある海はなんですか?
あなたはこれらの問いにどう答えるだろうか?次世代は30年後に何と答えるのだろうか?あるいは、150年前に我々の先祖はどう答えたのだろうか?いま、インターネット上で不特定多数に投げかけたらどんな答えがくるのだろうか?
冒頭のシンプルな問いは、ダムタイプが新作のために、1850年代にアメリカで出版された地理学の教科書から引いたもの。ダムタイプとは、1984年に京都を拠点に活動を始めたアーティスト・グループです(当初は「Dumb Type Theater」(セリフのない演劇・舞台/劇団)として活動。ダム dumbは「口がきけない」転じて「愚かな」という意味合いの言葉)。発展していくテクノロジーを用いて身体、音、光、グラフィックデザインを織り交ぜた先進的かつ刺激的な表現を行ってきた彼女・彼らは、80年代後半からすでに国際的な注目を集め、新作発表ともなると現在でも大きな注目を集めます。昨年ヴェネチアで発表された、坂本龍一をメンバーに迎えて作られた新作を、アーティゾン美術館(東京)で帰国展として新たな要素も加えて紹介しています。
1時間のサウンドを基調とした作品なので、素早い検索や情報処理、すぐさま答えが求められる忙しなさはいったん置いて、地理学の問いからはじまり、なにを指針とするのか、なにを情報として受け取り、受け取らないのか、といった世界への向き合い方に対する重要な問いが漂う空間に「身を浸す」という体験をぜひ味わってください!
(石橋財団アーティゾン美術館 学芸員 内海潤也)
開催概要
第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展
ダムタイプ|2022: remap
【会期】2023年2月25日(土)〜2023年5月14日(日)
【会場】アーティゾン美術館 6F(東京都中央区京橋1-7-2)
【主催】公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館、独立行政法人国際交流基金
【公式HP】https://www.artizon.museum/exhibition_sp/dumbtype/