脱マスク初日も「まだ外せぬ」 電車や空港は様子見目立つ

本日からマスク着用が個人判断となった。東海道新幹線のホームの様子=13日午前、JR東京駅(鴨志田拓海撮影)
本日からマスク着用が個人判断となった。東海道新幹線のホームの様子=13日午前、JR東京駅(鴨志田拓海撮影)

新型コロナウイルス対策でのマスクの着用が13日から個人の判断に委ねられることになった。首都圏の鉄道駅や空港では、多くの人がこれまでと変わらずにマスクを着用したままという様子が見られ、通勤客などからは「周りが外してから」「まだ外せない」などの声が聞かれた。

「感染怖い」

午前8時前、神奈川県内から都内に向かって走るJR京浜東北線の混雑する車内では、乗客の大半がマスクを着用していた。

川崎駅から乗車して天王洲アイル駅近くの職場に向かっていた川崎市の会社員、吉田誠一さん(50)は「周りも誰も外していないし、まだ様子見」と話し、自身もマスクを着用。「みんながしているうちは外せない。もう少し暑くなったらみんな自然に外すのでは」と話した。

都内に観光に訪れた佐賀県みやき町の町職員、平野健一さん(57)は「みんな付けているし、外しにくい雰囲気ですよね」と困惑の表情。「役場に来る町民にも、もう個人の判断に委ねられると伝えてきたが、みんなまだ外せないと言っていた」と話した。

感染を不安視する声も。都内の高校に通う石川優さん(16)は「テレワークではない人が増え、電車は満員になるようになった。感染したくない」と率直な思いを打ち明けた。

空港も状況同じ

ビジネス利用や旅行客でにぎわいを取り戻しつつある羽田空港でも状況は変わらず。到着ロビーでは乗客の大半がマスク姿で、航空機内でも「機内でもずっと着けていた」という声が目立った。

和歌山県から観光に訪れた同県岩出市の大学生、平林由美さん(18)は「機内で(外してもいいと)アナウンスがあったけれど自分は外さなかった」。北九州市から群馬県草津町に温泉旅行に向かう田中千里さん(22)も、機内では着けたままだったという。「感染しないか心配。密集しないところに行ったら外してもいいかな」と話した。

「年齢が年齢なので。用心のため外さなかった」と話すのは、大阪市から会議出席のために訪れた会社員、佐渡島克さん(83)。今後どうするかも決めかねているものの、「ワクチンも5回打ったし、外しても大丈夫な場面では積極的に外そうかな」。

仕事柄、外せないという人も。看護師として、クルーズ船の海外航路に長期間乗務するという北海道旭川市の三浦夕季さん(31)は「感染してしまうと船に乗れなくなってしまう。業務に支障が出るので、感染は避けなければならない」と切実だ。

中学時代の同級生らと旭川空港から搭乗し、水戸市に観梅に行くという旭川市の主婦、佐々木美恵子さん(73)は今後も外出時はマスクを外す予定はなく、「もう慣れてしまった」と話した。

一方、少数派ながらもマスクを外した人も。神戸市の会社員、城山愛深(まなみ)さん(27)は、愛媛県の松山空港から搭乗し、機内でも外していた。「きょうから外すことにした。これまでずっとマスクをしてきたので、とても楽に感じる」と笑顔を見せた。

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