〈独自〉少子化対策、自民調査会の提言判明 年少扶養控除を復活

自民党本部=東京・永田町(矢島康弘撮影)
自民党本部=東京・永田町(矢島康弘撮影)

政府が進める少子化対策の策定に向け、自民党の少子化対策調査会(衛藤晟一委員長)が提出する提言の最終案が11日、判明した。子育て世帯の税制優遇を図るため、民主党政権が廃止した年少扶養控除を復活することなどが柱。経済界や有識者らによる「少子化対策国民会議」の創設も求めた。13日に党「『こども・若者』輝く未来創造本部」(本部長・茂木敏充幹事長)に提言する。

最終案は11項目で構成する。2月下旬にまとめた「概要」の8項目から、デジタル化の推進など3項目を新たに加えた。

最終案では、16歳未満の扶養家族がいる世帯に所得税と住民税を減税する年少扶養控除の復活を明記した。子供の数が多いほど控除額も増えることから、多子世帯への支援として効果があるとされる。

また、祖父母や親が結婚資金や子育て資金を一括して贈与する場合に、子供や孫1人当たり1千万円までを非課税とする制度の恒久化も掲げた。

自治体ごとにばらつきのある子供の医療費補助について、小学生までは全国で例外なく支援対象となるよう制度化することも提案した。新婚世帯の住宅費支援として、20代に100万円、30代には60万円を支給する方針も打ち出した。

提言を受け、未来創造本部が3月中旬にも党全体の提言をまとめ、政府は月内に新たな少子化対策案の「たたき台」を策定する方針だ。

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