商工中金2年以内に民営化 関連法改正案を閣議決定

閣議に臨む(左から)林芳正外務相、岸田文雄首相、高市早苗経済安保相=10日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
閣議に臨む(左から)林芳正外務相、岸田文雄首相、高市早苗経済安保相=10日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

政府は10日、約46%を出資する商工中金の民営化に向けた商工中金法改正案を閣議決定した。政府が保有する商工中金株は改正法公布から2年以内に全て売却する。一方、災害時に資金を低利で貸し出す「危機対応融資」は商工中金の責務と明記して今後も継続し、政府の関与は残す。

商工中金法改正案は商工中金の業務範囲を広げ、登録型人材派遣やITシステムの販売など地域活性化関連の業務を行えるようにする。事業再生を目指す企業への出資上限を引き上げるほか、新興企業(スタートアップ)への出資期間も拡大する。

また新株発行時や代表取締役選定時に必要だった認可は廃止し、届け出事項に変更。政府の関与を弱め、経営の自由度を高める。改正から4年以内に、民間金融機関との適正な競争環境が確保されているかや経営状況を検証し、必要に応じて改善を指示する。

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