警察官の卵として初めての仕事は、収容された遺体をきれいに拭くことだった。東日本大震災で甚大な被害が出た宮城県。人手が足りない県警は警察学校生を現場に駆り出した。髪の泥を拭った女の子の遺体、母親から差し出された小さな男の子…。「警察官の仕事の重さを知った」。厳しい現場を経た〝卵〟は今、使命感を胸に、警察官として現場で不明者の捜索やパトロールを続けている。(平成23年5月1日付産経新聞)
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あの国難から間もなく12年。震災直後の被災地を伝えた産経新聞の記事を音声でお届けします。肩書などは取材当時のものです。