WBC

強化試合で大谷翔平が披露 「コショウひきパフォーマンス」の意味

三回、3点本塁打を放ちポーズを決める大谷翔平=京セラドーム大阪(撮影・長尾みなみ)
三回、3点本塁打を放ちポーズを決める大谷翔平=京セラドーム大阪(撮影・長尾みなみ)

野球の国・地域別対抗戦の第5回「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)で、6日に行われた阪神との壮行試合で2本塁打を放った日本代表の大谷翔平選手(エンゼルス)。その大谷が本塁打を放った際に見せたパフォーマンスが、会員制交流サイト(SNS)で話題を呼んでいる。「ペッパー・グラインダー」と呼ばれるコショウをひくようなパフォーマンスは、この試合で2安打をマークしたラーズ・ヌートバー外野手が所属するカージナルスで昨シーズンから流行。侍ジャパンでも、ペッパー・グラインダーがチームに一体感をもたらしている。

「本当にいい雰囲気」ツイッターでも好評

6日の阪神戦から日本代表での実戦初参加となった大谷とヌートバーが、大リーガーとしての本領をさっそく発揮した。

「3番・指名打者」で先発出場した大谷は、三回の第2打席でフォークボールにタイミングを外されてグラウンドに膝をつきながらも、中堅右へ3ラン。さらに5回の第3打席でも再び3ランを放ち、2安打6打点と存在感を示した。また、「1番・中堅」で先発したヌートバーも適時打を含む2安打をマークした。

一回、中安打を放ち、「ペッパー・グラインダー」のパフォーマンスをするヌートバー=京セラドーム大阪(撮影・長尾みなみ)
一回、中安打を放ち、「ペッパー・グラインダー」のパフォーマンスをするヌートバー=京セラドーム大阪(撮影・長尾みなみ)

その大谷が三回の3ランで塁上を回った際、ベンチに向かって両手をぐりぐりとこすり合わせるような動作をすると、ベンチも即座に反応。ツイッターでも「本当にいい雰囲気」といった声が寄せられた。

地元の放送局も即座に反応

チームとしての一体感をもたらしたこのパフォーマンスは、ヌートバーが所属しているカージナルスに由来している。

地元紙「セントルイス・ポストディスパッチ」(電子版)によると、カージナルスの控え捕手であるニズナーが昨季、「打者はチームのために四球を選んだり、走者を進めたりと、『こつこつと粘り抜く』(grind out)ようにしよう」とチームメートと会話したことが、このパフォーマンスのきっかけだという。

「grind」という単語には「(コショウなどを)細かくすりつぶす」という意味もある。カージナルスでは味方打者が安打や本塁打などを放つと、ベンチに向かって「ペッパーミル」(コショウをひいて粉末にする器具)を使うしぐさをする「ペッパー・グラインダー(pepper-grinder)」と呼ばれるパフォーマンスが流行した。

6日の阪神戦で見せたこのパフォーマンスに、米国メディアも反応。セントルイスの放送局「KMOV」(電子版)では「2安打を放ったヌートバーが、大谷に『ペッパー・グラインダー』を教えた」と報じ、侍ジャパンでもペッパー・グラインダーが取り入れられていることを紹介した。

7日の強化試合を経て、9日に初戦の中国戦を迎える侍ジャパン。大会を通じてどれだけの「ペッパー・グラインダー」が見られるか注目される。(浅野英介)

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