平成28年に神奈川県警泉署の巡査が拳銃自殺したのは、精神的に追い詰められていたのに拳銃を配備したのが原因だとして、両親が県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は7日、県警の過失を認め約5500万円の支払いを命じた一審横浜地裁判決を取り消し請求を棄却した。
巡査は秋田市出身の古関耕成さん=当時(25)。増田稔裁判長は仕事の悩みを抱えていた状況を複数の警察官が把握していたが自殺直前に落ちこんだ様子は見られず「精神の不調を認識できなかった」と指摘。泉署署長も同様に知り得ず「拳銃を携帯させてはならない義務を怠ったとは言えない」と結論付けた。
判決後、両親が東京都内で記者会見し、上告する考えを示した。母親は「裁判によって組織が改革されるのを願っていたが、判決は応えてくれなかった」と涙ながらに語った。神奈川県は「主張が認められた」とのコメントを出した。
判決によると、古関さんは27年8月から泉署に勤務。28年3月12日、署内で拳銃自殺した。