2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)は7日、万博会場内に設置されるベンチやごみ箱、トイレといった設備の企画・提案の選定結果を公表した。間伐材や不要な衣服から製作されるベンチ、下水を肥料に再利用できるトイレなど、環境にやさしい12の提案が採用された。
万博協会は昨年7~9月に提案を募集し、79件の応募があった。採用された12件は今後、著名デザイナーらの協力を得て詳細をつくり込み、実際に会場に設置される。提案は複数企業が合同で行うことが条件で、中小企業の万博への参画を促す狙いもある。
「W TOKYO」(東京)はトイレで使用された下水を農業用の肥料に再び活用できる「サーキュラーバイオトイレ」を会場内に設置する。丸紅は食品廃材から作られ、さらに使用後は食べ残しなどと一緒に堆肥にできる食器を提供する。象印マホービンは、マイボトルを簡単に洗える洗浄機を設置する。
エースジャパン(京都府精華町)は木の枝や樹皮など従来は捨てられることが多かった間伐材でベンチを製作。colourloop(京都市)も、洋服などの廃棄繊維でベンチを作る。ほかにも、企業などが保管する賞味期限が近付いた非常食を再利用して、弁当として販売する企画などが採用された。
大阪市内で会見した万博協会の高科淳副事務総長は「今後、各アイデアが製品化される過程なども積極的に情報発信していく。万博をより身近に感じてもらえれば」と期待を寄せた。(黒川信雄)