タリウム殺害、女子大生の体調急変も119番せず 容疑者「呼ばないでと拒まれた」

宮本一希容疑者=4日午後、大阪市中央区(柿平博文撮影)
宮本一希容疑者=4日午後、大阪市中央区(柿平博文撮影)

京都市の女子大学生が劇薬のタリウム摂取により殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された知人の不動産賃貸業、宮本一希容疑者(37)=京都市左京区=が、逮捕前の大阪府警の任意の事情聴取に「女子大生の体調が悪化したので救急車を呼ぼうとしたが、(女子大生に)呼ばなくてよいと拒否された」と説明していたことが6日、捜査関係者への取材でわかった。府警は、事件発覚を避けるために通報しなかった可能性があるとみて当時の経緯を調べる。

殺害されたのは京都市北区の立命館大3年、浜野日菜子さん(21)。浜野さんは昨年10月11日、同市内で宮本容疑者と外食後、2人で自宅で飲酒した際に体調を崩し、12日に大阪府内の病院に搬送され、15日に死亡した。

捜査関係者によると、宮本容疑者は府警の任意の聴取に「12日未明に浜野さんが突然咳(せき)込みだし、止まらなくなった」と説明。119番しなかった理由について、「浜野さんから『ぜんそくだから救急車を呼ばないでほしい』といわれた」と話したという。その後、宮本容疑者は浜野さんの両親に連絡。12日朝に迎えにきた両親に浜野さんを引き渡した。

浜野さんの死因はタリウム中毒による重度の呼吸不全だった。府警は防犯カメラ映像やタリウムの専門家の意見も踏まえ、宮本容疑者が浜野さんの部屋で2人きりで飲酒をしていた際、酒にタリウムを混入させた可能性が高いとみて詳しい状況を調べている。宮本容疑者は逮捕後の調べに黙秘している。

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