2.0リッターでも十分スポーティ 新型BMW 320i試乗記

マイナーチェンジしたBMWの「320i」を小川フミオがテストドライブ。ガソリンエンジンの魅力を味わえる希少な存在だ。

かつてのBMW好きに勧めたい

BMWの320iは、スポーティなテイストが楽しめるセダンだ。2022年9月に、マイナーチェンジを受けたモデルが日本で販売開始され、ようやく試乗が叶った。

3シリーズは、たいていのクルマ好きなら知っている。少なくとも日本ではBMWを代表するセダンだ。

マイナーチェンジを受けた3シリーズは、前後の意匠がすこし変わって、精悍さがちょっと増した。しかも試乗したモデルは「メルボルンレッド」なるきれいな赤色。よく合っている。

SUVが台頭する昨今、「いまさらセダンですか?」と、言いたい人はいるかもしれない。いやいや、クルマの運転が好きなら、試してもらいたいと思うのです。

今回の320iエクスクルーシブを「どんなひとに勧めたいか?」と、訊かれたら、「1980年代までのBMWが好きな人!」と、私は答えるだろう。

3シリーズは、モデルチェンジを重ねるたびに、ボディが大型化(最新モデルで全長は4720mmもある)。「衝突安全基準をクリアするため」と、BMW本社の開発エンジニアに説明された。

命を守ってくれるための手だてなので、仕方ないのだけれど。同時に3シリーズは、かつての5シリーズのポジションに(少なくてもイメージ的に)落ち着いた感もあった。

昔の3シリーズのファン・トゥ・ドライブ的なキャラクターが懐かしいなぁ、なんて思っている人やあるいは、セダンの機能性をよく理解しつつ、運転が楽しめるクルマが欲しい人には、320iがいいかもしれない。

エンジンをまわして、元気よく走らせるのが向いているクルマだ。サスペンションスプリングはやや硬めな印象で、首都高などでやや跳ねる。

650万円のセダンで、スポーティなキャラクターをここまではっきり打ち出すのも大胆だ。意外にこれはこれでアリかもしれない。

硬めだなぁと思っていた足まわりだけど、地面に張り付くようなコーナリングを体験すると、「これも悪くないなぁ」と、思えるようになる。

1998cc直列4気筒エンジンは、135kWの最高出力と、300Nmの最大トルクをもつ。よくまわるエンジンなので、回転をあげていくと楽しい。モデルレンジでは下位の320iではあるものの十分パワフルで、第4世代(E46)の「325i」や「328i」並みかそれ以上かもしれない。

ステアリングのフィーリングは、しっかりしていて、クルマとの一体感もしっかり感じさせてくれる。無理しているところがいっさいなく、ドライブしていると「楽しいなぁ」と、笑顔になった。

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