滋賀県が行ったインターネットによる県民向けアンケートで、「県内でサイクリングをしたくない」と答えた人の割合が全体の4割を超えた。自転車で琵琶湖を1周する「ビワイチ」を体験したことがないとの回答も9割に達した。新型コロナウイルス禍でも密を避けて楽しめるレジャーとしてサイクリングが注目を集める中、県はビワイチを観光、地域振興の柱の一つに据えているが、ご当地での関心や人気は今ひとつのようだ。
アンケートは1月12~16日に調査会社に委託し、インターネット上で調査を実施。県内に住む18歳以上の500人から回答を得た。
「県内でサイクリングをしたいか」との質問には、44・8%が「したくない」と回答。「したい」の33・4%と10ポイント以上の差が付いた。「分からない」も21・8%に上り、サイクリングに消極的な姿勢がうかがえた。男性で「したくない」と答えた割合が40・0%なのに対し、女性では49・6%と半数近くを占めた。
「したくない」理由(複数回答)は、「もともと興味がない、楽しいと思わない」が56・7%で最も多かった。次いで、「使用できる自転車がない」(28・6%)、「交通事故が心配」(20・5%)、「車道の左側を走るのが怖い」(18・3%)などとなっている。
「ビワイチのルートをサイクリングしたことがあるか」との問いには、59・8%が「ルートを知っているが、したことはない」と回答した。「ルートを知らないし、したこともない」も32・2%で、「したことがある」はわずか8%。ビワイチ体験者の少なさが際立ち、とりわけ女性では3・6%にとどまっている。
県ビワイチ推進室の担当者は「ビワイチは必ず琵琶湖を1周しなければいけない、スポーツタイプの自転車が必要といったイメージがあり、体験へのハードルが高くなっているのではないか」と分析。「もっと気楽にビワイチや県内でのサイクリングを楽しんでもらえるよう、1周しなくてもルートの一部を走るだけでも楽しめますよ、というPRや仕掛けづくりをしていきたい」と話している。