宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、記者会見を開き、昨年4月に始めた宇宙飛行士選抜試験に諏訪理さん(46)と米田あゆさん(28)が合格したと正式に発表した。海外からオンラインで会見に臨んだ世界銀行上級防災専門官の諏訪さんは「大きな責任を負うことになった。しっかり仕事をしていきたい」と語り、日本赤十字社医療センター(東京)の外科医を務める米田さんは「選ばれた責任感、使命で身が引き締まる思い」と話した。JAXAの飛行士候補者が新たに誕生するのは14年ぶり。
諏訪さんは世界銀行上級防災専門官で、米プリンストン大大学院地球科学研究科修了。青年海外協力隊でルワンダに派遣され、世界気象機関(WMO)に入った。2014年から世界銀行。米田さんは日本赤十字社医療センター外科医。東京大医学部卒。東京大病院を経て、日本赤十字社医療センターに入った。
2人は国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在するほか、米国主導の月探査アルテミス計画に参加して月上空の新基地などに派遣される見通し。飛行士候補となってJAXAに入り、正式に飛行士として認定されるための訓練を約2年間行う。
今回の試験は初めて学歴不問とするなど応募条件を大幅に緩和。当初の応募は4127人だった。
月探査の宇宙飛行士候補「月に立つことができれば」 JAXA発表